コマクサは、高山植物の女王と言われ、高山植物の代名詞的な存在です。しかし、岩稜帯で植物が育つには厳しい場所に敢えて咲く花なので、どこでもある訳ではありません。
北海道では、大雪山から知床にかけて分布していますが、日高山脈ではたった一カ所に生育地があるだけです。このようにどこでもあるわけではないので、関係のない山へ移植をする人が後を絶ちません。絶対にやめてください。
分類
キンポウゲ目 / ケシ科 / コマクサ属
学名
Dicentra peregrina
大雪山
コマクサを見るなら?
コマクサを見るのにおすすめな場所を紹介します。
大雪山 駒草平
駒草平は、銀泉台から赤岳へ向かう登山道の途中にあります。第2雪渓の先にある急坂を登り切った先に駒草平はあり、一面にコマクサが咲いています。
昔は盗掘で激減したコマクサも、今は復活しています。これから先の赤岳や小泉岳にもコマクサは咲いています。そして小泉岳周辺は、大雪山を代表する高山植物の生育地です。ぜひ、行ってみましょう。
感想
コマクサは、表大雪だけでなく、北大雪、東大雪にもあります。特に、東大雪にコマクサがある印象は小さいですが、広範囲に分布し、東ヌプカウシヌプリに最低標高で咲くコマクサ群落があるそうです(登山道沿いにはないので確認できません)。
写真のコマクサ群落は、ユニ石狩岳にあるものです。ユニ石狩岳最後の登りはガレた岩稜帯で、コマクサが咲いています。こんな不安定な場所に咲くコマクサが、個人的に一番気に入っています。また、石狩川源頭のコマクサ群落はすごいらしいですが、沢屋さん以外は見ることのない秘境となっています。
最近は、家の敷地でコマクサを育てる人が多くて、なんか興醒めです。やっぱり山の上でコマクサを見たいですね。